
10歳の少女が誓った約束。坂野晶が人生をごみゼロに捧げるまで | PASSTOマガジン vol.23
10歳の少女が誓った約束。坂野晶が人生をごみゼロに捧げるまで | PASSTOマガジン vol.23
買い物のワクワク、手放すモヤモヤ
衣替えの季節。クローゼットを開けると、そこにある「まだ綺麗だけれど、もう着ない服」の山 。買ったときのワクワクを思い出すと、ごみ箱にポイッと捨てるのはなんだか心が痛む。かといって、ずっと眠らせておくわけにもいかない。
そんな誰もが抱える「手放し方のモヤモヤ」に、「捨てずに次の人へ渡す」ことを提案するのが、資源循環サービス「PASSTO(パスト)」 。
5月30日の「ごみゼロの日」から始まった「1BUY→1PASSTO」アクションでは、もう使わない服や雑貨を、PASSTOの回収ボックスに入れたり、お家から宅配パストで送るだけで、その重さに応じて1kgあたり3円をごみを減らす活動へ寄付することができる。

お部屋をすっきり片付けることが、そのまま社会を良くする応援になる 。
今回はアクションの寄付先である「一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン」の代表であり、PASSTOを運営する株式会社ECOMMITのCCO(Chief Circularity Officer/最高循環責任者)を務める坂野晶(さかの あきら)さんに、ごみを減らす活動を始めたきっかけや、その内容について話を聞いた。
- 買い物のワクワク、手放すモヤモヤ
- 「都市鉱山」ならぬ「都市農園」?
- ルールを変え、現場で汗をかく。新役職「CCO」
- ① ルールを変えて、資源循環を加速させる「政策提言」
- ② 現在地と課題を正直に伝える「インパクトの可視化」
- ③ 捨てられるモノの『さらなる可能性』をつくる「リサイクル開発」
- 「環境問題を解決することを、自分の仕事にしよう」
- 「環境問題を解決することを、自分の仕事にしよう」
- 日本の山奥から、世界の舞台へ
- ゼロ・ウェイスト・ジャパンが描く、ごみを生み出さないまちづくり
- 住民が「自分たちらしい」と思えるワクワクから始める
- 持続可能な体制をつくる「風・水・土」のチーム力
- 集まった寄付金が紡ぐ、2つの「未来への投資」
- あなたの手放す一歩が、未来をつくる応援になる
- ■ キャンペーン概要
「都市鉱山」ならぬ「都市農園」?

坂野さんが見据えるのは、私たちが「ごみ」と呼んでいるものの見方をガラリと変える世界。 例えば、使わなくなった家電製品などから金属を取り出す「都市鉱山」という考え方。同じように、紙であれば「都市森林」。クローゼットで眠っている衣服がコットン(綿)ならそれは「都市農園」であり、ポリエステルなら「都市油田」。このようにあらゆる物が循環できる可能性を秘めている。

ルールを変え、現場で汗をかく。新役職「CCO」
2026年1月、資源循環のインフラをビジネスでつくる「ECOMMIT(エコミット)」で、日本初となる役職「Chief Circularity Officer(最高循環責任者)」に就任した坂野さん。「エコやサステナブル」という広い言葉ではなく、企業の根幹である「資源循環(サーキュラリティ)」に特化したこの役職は、社会の仕組みを本気で変えるという強い覚悟の表れだ。

この就任に伴い、所管する部署も、もともとの「ESG推進室」という名称を「循環連携室」へとアップデートし、その領域を大きく広げた。現在は大きく3つのミッションを担っている。
① ルールを変えて、資源循環を加速させる「政策提言」
服を資源にしようとしても、国の古くからの法律やルールが壁になることがある。そこで環境省などの政府機関へ「もっと資源循環事業が加速しやすい仕組みに変えてほしい」と提案を続けている。時間はかかるが、自治体ごとのルールのバラつきをなくしていったり、リサイクル素材が広く使われるための新しい基準づくりなど、社会の仕組みを根本から変える働きかけを行なっている。
② 現在地と課題を正直に伝える「インパクトの可視化」
大きな目標に対して「今、どこまで進んでいるか」の「Impact Progress Report」を作成し、公表する役割だ。良い進捗だけでなく「何が足りないか」という課題まで正直にオープンにする姿勢を大切にしている。お客様へ提示する「どれくらいごみが減ったか(循環率)」の正確な計算ロジックを作るのもこのチームだ。
③ 捨てられるモノの『さらなる可能性』をつくる「リサイクル開発」
どうしても再販売(リユース)できない服をただの「ごみ」にせず、工業用の雑巾(ウエス)にしたり、新しい服の原料としてもう一度、ものづくりの現場へ戻せるルートを開拓している。今後は取り扱う対象も広げる予定だ。さらに会社全体のごみを減らすため、坂野さん自ら現場で袋を開けて泥臭く廃棄物の仕分けを見直すなど、現場の意識改革も行っている。
国を動かす大きなルールづくりから、現場での泥臭い仕分け作業まで。これほどまでにエネルギーを注ぎ、ごみのない未来へ向かおうとする原動力は何なのか。
その問いの答えは、彼女の幼い日のある出会いへと遡る。
「環境問題を解決することを、自分の仕事にしよう」

すべての始まりは、4歳のときに出会った一羽のインコ。
その出会いから、鳥の魅力に魅入られた坂野さんは、10歳のときに手にした絵本で、ニュージーランドの絶滅危惧種の世界最大のオウム「カカポ」が、人間の都合(森林伐採や天敵の持ち込み)によって絶滅の危機に瀕している事実を知り、ショックを受ける。

「環境問題を解決することを、自分の仕事にしよう」
そう心に誓った坂野さんは、危機の根底にある「人間社会の仕組みそのもの」を変革する手段を学ぶべく大学で環境政策を専攻。卒業後はモンゴルのNGOやフィリピンの物流企業で働いた後、環境政策の現場に携わる方法を模索する中で、辿り着いたのが、徳島県の山奥だった。
日本の山奥から、世界の舞台へ
大きな転機は2015年。日本で最初に「ゼロ・ウェイスト宣言」をした徳島県上勝(かみかつ)町のNPO法人に参画。住民自らがステーションに足を運び、45種類におよぶ細かな分別を実践してリサイクル率81%を達成している小さな町で、坂野さんはリーダーとして店舗向けの「ゼロ・ウェイスト認証」や地域の中で量り売りを実装する仕組み、様々なごみ減量の取り組みを立ち上げるなど新たな仕組みづくりを牽引した。この実践が世界に認められ、2019年1月には世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の共同議長に選出。世界のトップランナーたちと並び、環境問題に関する共同声明を発表するまでに至る。

Copyright: World Economic Forum
しかし、世界から称賛される一方で、視察に来た人々が残す「上勝は特別な環境だからできたんだよね」という諦めの言葉に、ひとつの悔しさが芽生えていた。 「理想のモデルを見せるだけでは、みんなが付いてくるわけじゃない。その土地の背景に合ったやり方で、誰もが『自分ごと』にできる方法を新しく作らなければならない」 その思いを胸に坂野さんは東京へと拠点を移す。
ゼロ・ウェイスト・ジャパンが描く、ごみを生み出さないまちづくり
ゼロ・ウェイストを一つの町の事例から、社会全体の仕組みへと転換するために坂野さんが2019年11月に設立した「一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン(ZWJ)」。ここで行われているのは、「出てしまったごみをどうリサイクルするか」ではなく、「そもそも最初からごみを生み出さない仕組み」をまちの中にデザインすることだ。

住民が「自分たちらしい」と思えるワクワクから始める
一番の軸は、全国の自治体や地域に伴伴走した仕組みづくり。行政との連携だけでなく、まずは地域の住民や民間事業者と小さく始めて実績をつくり、徐々に行政の政策へと繋いでいくこともある。 ごみの量を調べる現状把握からスタートするが、大切なのは「何から始めるか」。単に「ごみを減らそう」と呼びかけても人は集まらない。例えば、栗が有名な地域では「栗のイガを炭にしよう」と提案する。その地域ならではのストーリーを掛け合わせ、住民が「自分たちらしい」とワクワクできる身近なプロジェクトから火をつけていくのがコツだ。
持続可能な体制をつくる「風・水・土」のチーム力
地方で活動を根付かせるには、3つの役割が揃う体制づくりが欠かせない 。
土の人:地域に暮らす住民や事業者
風の人:外からアイデアの種を届けるZWJのような存在
水の人:風が持ってきたアイデアを地域に翻訳し、落とし込むつなぎ役(コーディネーター)
自治体行政には定期的な人事異動という仕組みがあるため、特定の担当者だけに役割が集中してしまうと、長期的なプロジェクトの継続が難しくなるケースも少なくない。そうした構造的な課題を補い、地域全体で活動を支えるため、ZWJでは全国各地で水の人や風の人を担える人材を育てる研修プログラムを展開している。さらに、小学校4年生の環境教育を楽しく変え、地域の対話を生む教材「ごみゼロゲーム」の開発など、地域を動かす仕掛けを地道に広げている。
集まった寄付金が紡ぐ、2つの「未来への投資」
「1BUY→1PASSTO」アクションで集まった寄付金は、ZWJを通じて次の2つの未来へ投資される 。
① 地域で新しいプロジェクトを立ち上げる「種まき資金」
行政が動くには最初の実績が必要だが、立ち上げ初期の調査などには自治体からも国からも予算がつきにくい。これまでは自社で持ち出していたこの「超アーリー期」の活動費に充て、新しい地域での一歩を後押しする。
② 学校への「講師派遣と教材プレゼント」
多くの学校から環境教育の依頼を受けるが、特に公立学校は予算がないため、講師の旅費や「ごみゼロゲーム」などの教材費をどうするかが常に課題。プール金(基金)を設けることで、予算の壁をなくし、子どもたちへ教育機会を届けていく。
あなたの手放す一歩が、未来をつくる応援になる
クローゼットの片付けで出た不要品をPASSTO(街の回収ボックス、または宅配パスト)へ預けると、その重さに応じて1kgあたり3円が、ゼロ・ウェイスト・ジャパンの活動へと寄付される。
「手放すモヤモヤ」を「未来を変えるワクワク」へ。 詳しい参加方法や、お近くの回収拠点、お家から送れる対象品目のラインナップは、下記の詳細ページからチェック。ぜひ、あなたのごみゼロに向けた一歩をここから始めてみよう。
詳細ページ:https://www.passto.jp/topics/9jj5-gfrr/

■ キャンペーン概要
・実施期間: 2026年5月30日(土)〜 6月30日(火)
※宅配PASSTOは6月30日(火)23:59までのオンライン申込分が対象
・寄付先: 一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン
・寄付内容: 回収品の重量1kgあたり3円を寄付
■ 2つの参加方法と回収品目
① 宅配PASSTO(自宅から手軽に発送)
自宅から無料で不要品を手放せるサービスです。PASSTO公式LINEより簡単に集荷依頼が可能です。衣類や雑貨だけでなく、家電やキッチン用品など130種類以上の品目を手放すことができます。
キャンペーン期間中、衣替えをサポートするコツや、スマートに物を手放したり買うための豆知識をコンテンツとして配信予定です。
・PASSTO 公式LINEアカウント(登録・集荷依頼はこちら)
https://bit.ly/4e08H9I
・宅配PASSTO 回収対象品一覧はこちら
https://passto-item.studio.site
② PASSTO BOX(お近くの拠点へ投函)
下記に設置されているキャンペーン参画拠点の「PASSTO BOX」へ不要品を投函してください。
設置場所はこちらをご覧ください:https://www.passto.jp/topics/9jj5-gfrr/
5/30(ごみゼロ)から開始!「1BUY→1PASSTO」アクション | PASSTO | パストしよう。捨てるをやめて、次の人へつなげよう。
5/30(ごみゼロ)から開始!「1BUY...
www.passto.jp
※回収品目は拠点によって異なるため、各拠点の回収ボックスの表示をご確認ください。
一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン
ゼロ・ウェイスト®︎の実現を目指し、地域・自治体および事業者に対して、廃棄物削減や資源循環に関する施策の立案から導入、見直し、評価までを中長期的に伴走支援する団体。従来のリサイクルを中心とした「ごみにしない」モデルに加え、「ごみを生み出さない」モデル(循環型の生産・流通・販売モデルや、それを支えるプロダクトデザイン)を重視し、多様なステークホルダーとの協働を通じて、施策の実装と継続的な発展を推進している。
ZERO WASTE JAPAN
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「ゼロ・ウェイスト」実践の機会を共創します
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